【プラント配管】フランジ座面について解説！

こんなお悩みを解決します。

プラント配管に用いられるフランジを理解するために、大きく分けて3つの重要な要素があります。

• フランジ接続形式（配管側との接続部分）
• フランジ座面形式（フランジ同士の接続部分）
• ガスケット（フランジ接続に用いられる、漏れを防止するための材料）

本記事では2番目・フランジ座面形式（フランジ同士の接続）について、解説します。

本記事をご覧頂き、あなたのプラント設計に活かしてください。

フランジ接続形式（配管側との接続）についてはこちらの記事で解説しています。

フランジを含めた配管継手（フィッティング）についてはこちらの記事で解説しています。

合わせてご覧頂ければ幸いです。

結論：フランジ座面形状の種類とその使い分け

結論から述べます。以下2点です。

• プラント配管で用いられる主なフランジ座面形状には、以下のものがある。
  ・平面座（Flat Face, FF）
  ・全面座（Raised Face, RF）
  ・リングジョイント座（Ring Type Joint, RTJ)
• フランジ座面形状の適用において、以下のことに注意する。
  ・異なるフランジ座面のフランジを接続しない。
  ・適用する流体の圧力・温度によって使い分ける。

1つずつ解説する前に、簡単にフランジ座面について説明します。

フランジ座面とは

下図・赤で囲った部分を指します。フランジフェースとも呼ばれます。

この"座”という表現は、バルブでも”弁座（シート）、逆座（バックシート）”という名称で出てきます。対象となるものが据わる箇所、と理解ください。

それでは、それぞれのフランジ座面の解説に移ります。

平面座（Flat Face, FF）

フランジの座面が全て同じ高さに加工されているものを平面座（Flat Face, FF）と呼びます。

フランジと接続する際には、シートタイプのガスケットが用いられます。

全面座（Raised Face, RF）

フランジの座面が、ボルト穴の周辺よりも少し出張っているものを全面座（Raised Face, RF）と呼びます。

FFと同様、シートタイプのガスケットが用いられます。

リングジョイント座（Ring Type Joint, RTJ）

フランジの座面がRFと同様に出張っており、かつリングジョイントを挟み込むための溝が加工されたものをリングジョイント座（Ring Type Joint, RTJ）と呼びます。

シートタイプのガスケットの代わりに、リングジョイントガスケットが用いられます。

フランジ座面の適用における注意点

注意点は、例えば以下のようなものがあります。

異なるフランジ座面のフランジを接続しない

RTJはその形状が独特であるために、他のフランジ座面を接続しない（出来ない）ことは想像しやすいと思います。

また、FF x RFのような組み合わせも理屈上は成り立ちますが、設計する前提としてフランジの座面は合わせると覚えましょう。

フランジ座面形式は適用する流体の圧力や温度によって使い分ける

適用条件から見た、FF, RF, RTJの使い分けは以下となります。

（常温あるいは低圧、適用条件が易しい）FF ＜ RF ＜ RTJ（高温・高圧、適用条件が厳しい）

RTJはシートガスケットが使えないような高温流体・高圧流体に用いられます。

FF, RFはどちらもシートガスケットを用いますが、よりシール性を保ちたい場合にはRFが用いられます。

RFは出張った部分だけでガスケットを締めこむため、FFと比べて面圧が大きくなります。

そのため、FFに比べてRFの方がシール性がよくなります。

まとめ

本記事では、プラント配管に用いられるフランジの座面形式について解説しました。

正しい知識を身につけて、エンジニアとしてスキルアップしていきましょう！