エンジニアリング

【プラント配管】継手(フィッティング)について解説!

2023-03-23

困っている人

プラント配管で用いられる継手(フィッティング)について知りたい!

こんなお悩みを解決します。

本記事を読んで解決できること

  • プラント配管で用いられる継手(フィッティング)についてわかる
  • 継手(フィッティング)を選ぶ際の注意点についてわかる

本記事を読んで、ぜひ今後のプラントエンジニアリングに活かしていただければ幸いです!!

プラント配管で用いられる継手(フィッティング)

プラント配管で用いられる継手(フィッティング)には、次に挙げるようなものがあります。

エルボ(Elbow)

配管の敷設位置を変えるために用いられます。

90度エルボ、45度エルボが一般的です。

曲げ半径が異なる、ロングエルボ・ショートエルボがあります。

ダクタイル鋳鉄管やPVC配管では22.5度、11.25度といったエルボもあります。

ティー(Tee)

流体の流れを分岐させるために設置されます

母管と分岐管の径が同じものをストレートティー(Straight Tee)

母管に比べて分岐管の径が小さいものをレデュースドティー(Reduced Tee)と言います。

レデューサー(Reducer)

配管の径を小さくするため、あるいは大きくするために用いられます

上流側と下流側の芯位置が同じものを同心レデューサー(Concentric Reducer, CON)、

上流側と下流側の芯位置が異なるものを偏心レデューサー(Eccentric Reducer, ECC)と言います。

フランジ(Flange)

ガスケット、あるいはリングジョイントなどのシール材をボルトで挟み込む継手です。

接続方法の呼称としても用いられます。

フランジ継手については別記事でも解説します。

ニップル(Nipple)

両端部がねじ切りされた短管です。

めねじからおねじへ配管の接続を切り替える場合に用いられます

中央部が六角になっているものもあります。

ユニオン(Union)

小径管の配管の取り外しをする目的で用いられます。

『配管が地獄になってるぞ』という表現は、ユニオン等の入れ忘れで配管の取り外しが困難になることを指しています

ボス(Boss)

圧力計等の計装品向けのノズルを母管へ取り付ける際に用いられます

カップリング(Coupling)

配管同士をつなぐフルカップリング

母管からのノズル取り出しに用いられるハーフカップリングがあります。

プラグ(Plug)

『プラグ止め』という呼び名の通り、ねじ込み配管の端部に用いられます

頂部が四角、あるいは六角のものがあります。

設計する際の注意点

配管継手(フィッティング)を計画する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 規格に注意する
  • 圧力レーティングに注意する
  • 材質に注意する

規格に注意する

例えば、ねじ込み接続の継手を用いる場合はJIS・ISOであれば互換性がありますが、ASTMとは接続できません

さらに、フランジ継手を用いる場合は、基本的にはJIS、ISO、ASTM間での接続は出来ません

JIS、ISO、ASTM等の規格についてはこちらで解説しています。合わせてご参照ください。

接続方法に注意する

継手の接続には以下の方法があります。

  • ねじ込み接続
  • フランジ接続
  • 溶接接続

例えば、流体の漏れが許されない、都市間を結ぶ高圧ガス幹線には溶接接続が用いられます

流体の性質や運用圧力に合わせて、適切に使い分けることが重要です

材質に注意する

継手を選定する際には、材質にも注意してください。

例えば、ステンレス材フランジと炭素鋼フランジをそのままボルト止めすると、腐食を引き起こす要因となります

また、PVC材と鋼材を接続すると、PVC材が破損することがあります

まとめ

本記事では、プラント配管の継手(フィッティング)について解説しました。

まとめ

  • 配管継手には、エルボ、ティー、レデューサ、フランジ、ニップル、ユニオン、ボス、カップリング、プラグなどがある。
  • 継手選定の際には、接続する規格や方式のほか、材質に注意する

正しい知識を身につけて、エンジニアとしてスキルアップしていきましょう!

とむ

40代 x 2児のパパ・サラリーマン | メーカーでプラント設計(10年以上) | プラント設計に関する情報のほか、仕事・日々の暮らしで役に立つ、実際に使って良かったガジェット・商品について情報発信中

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